有機分子の励起状態構造を解明する新手法の開発に関する論文がNature Communications誌に掲載されました。

九州大学の安達研究室との共同研究で、TADF分子における励起状態構造を解明する新手法を開発した成果が Nature Communications に公開されました。本研究では、ドナー-アクセプター型TADF分子TMCz-BOを対象に、様々な温度・溶媒条件下での発光減衰挙動を詳細に解析し、これまで矛盾や不確実性の多かった有機分子の励起状態エネルギー構造を一貫して説明可能とするモデル構築に成功しました。当研究室は西郷君と笠君が中心となって温度依存過渡吸収分光を担当し、本TADF分子の励起状態ダイナミクスの温度依存性の解明に貢献しました。

“Temperature dependency of energy shift of excitonic states in a donor–acceptor type TADF molecule”
Youichi Tsuchiya, Keito Mizukoshi, Masaki Saigo, Tomohiro Ryu, Keiko Kusuhara, Kiyosi Miyata, Ken Onda, Chihaya Adachi
Nat Commun 16, 4815 (2025).